書籍レビュー：「博士の愛した数式」

概要

「博士の愛した数式」は、日本の小説家東野圭吾による長編小説である。日本の数学者草創期に生きた「リーマン予想」に取り憑かれた天才数学者、綾小路瑠璃子と、その家に住み込むことになった青年・師岡洋との交流が描かれる。

師岡洋は、社会からの孤独と自分への全くの無力感におびえ、自殺を図ったところ、その時に通りかかった綾小路瑠璃子に助けられる。その後、綾小路の家に強制的に住み込むことになるが、そこで綾小路の変わり者ぶりに驚愕する。

しかし、綾小路が常に目指す「リーマン予想」には興味を持つようになる。師岡は、自分が少しでも綾小路の手助けをすることで彼女と共に歩むことができると確信し、彼の代理としてリーマン予想に挑戦する。

この小説は、リーマン予想に取り憑かれた天才数学者の精神状態を生き生きと描写した名作である。綾小路瑠璃子のような変わり者と、師岡洋のような一般人の関係性がダイナミックに描かれている。

ただ、数学的な解説・考察を求める人には向いていないと個人的には思う。リーマン予想を中心に据え、数学に親しみのない人にも楽しめる小説となっている。

総評としては、数学に興味がある人はもちろん、小説を読むことに抵抗がある人にもおすすめできる作品である。