概要
「銀河英雄伝説」は、1982年から1987年にかけて出版された田中芳樹氏の小説シリーズである。全25巻からなり、SF小説の中でも有数の知名度を誇る名作である。「銀河帝国」vs「自由惑星同盟」の戦いを描いた壮大なストーリー、深いキャラクター描写が支持を集めた。本記事では、25巻を読んだ感想と評価を紹介する。
ストーリー
「銀河英雄伝説」は、銀河帝国と自由惑星同盟の対立を描いたスペースオペラである。銀河の中心に君臨する銀河帝国と、その反対側に位置する自由惑星同盟。帝国の独裁者ラインハルト・フォン・ローエングラムは、同盟の民主主義を打ち破り、銀河全体を支配するため戦いを始める。そこに活躍する主人公、ラインハルトの側近であるヤン・ウェンリーなど多くのキャラクターたちの人生と生き様が描かれる。
キャラクター
多くのキャラクターたちが魅力的で深みがある。主人公のラインハルトは、高いカリスマ性と冷静沈着な性格が特徴的である。ヤン・ウェンリーは、極めて平凡な部下でありながら、戦略眼に優れ、ラインハルトと対等に渡り合うもう一つの主人公として描かれる。他にも、帝国軍一の猛将レインハルトの協力者であるシンプソン、同じく猛将であるマッケンジーなど、それぞれに個性的で魅力的なキャラクターたちが登場する。
評価
「銀河英雄伝説」は、そのストーリー展開やキャラクター描写が秀逸で、読み応えのある傑作である。戦略的な対決、思想的な対立が絶妙に描かれており、人物たちの心情も丁寧に描かれている。ただし、係数値の入った物語の作者の趣味が強く、学術的な表現が多く、読みやすさに欠ける部分もある。この作品を読むには、時間と耐性が必要とされるが、ジャンルを越えて多くの人々から愛され続けている理由は、圧倒的な魅力とクオリティーにあると言えるだろう。
まとめ
「銀河英雄伝説」は、多くのキャラクターが活躍する壮大なストーリーを持つ傑作SF小説である。キャラクターたちの深い心情やそれぞれの信念、戦略的な対決が描かれた作品は、際立った魅力とともに、難しい表現が多く読むのに時間がかかる。しかし、銀河系での人々の戦いが描かれたこの作品は、間違いなく、オススメの小説の1つである。
※本記事の参考文献『銀河英雄伝説 完全読本』(徳間書店刊)
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