『ノルウェイの森』

はじめに

『ノルウェイの森』は、村上春樹の長編小説である。1987年に発表され、1989年には「芥川賞」を受賞した作品。翻訳版も多く出版され、世界中で愛される作品の一つだ。

あらすじ

主人公のトオルは、大学在学中に友人の死と女性との出会いをきっかけに、大学を中退して二度と会うことのなかった友人の恋人であるナオコへの想いを募らせながら、彼女の生きる世界に触れていく。そんな中、ナオコが自殺を計るものの、トオルの助けによって一命を取りとめ、ナオコとの関係は一層複雑になっていく。

印象に残ったシーン

冒頭のシーンで、トオルとかつての友人である死亡したキズキが向き合いながら飲んでいる酒が非常に印象的だった。その後、キズキが自殺する事になるが、その時のトオルの無力感が胸に迫るような描写になっており、ストーリーに深みを与えている。

感想

本作は、恋と死というテーマに対して、著者自身の哲学を込めた切ない物語だ。記述の力強さや機微な描写の巧みさ、思想性の深さは、村上春樹の代表作の一つになる理由を納得させられる作品だ。私自身も一度読んだだけでは、深い意味を理解することが難しかったが、何度も読み返すうちに、違う角度から作品を捉えることができるようになった。是非読んでほしい作品である。

参考文献：

• 『ノルウェイの森』（村上春樹、新潮社）