『ファンタジア・オフライン』の感想

ストーリー

本書は、オンラインゲーム『ファンタジア・オンライン』のサービス終了に伴い、プレイヤー達が集められたサークル「ファンタジア・オフライン」の物語を描いたものです。主人公の青年・キリトやユイといったゲーム内での仲間たちが、現実世界での問題に直面しながらも、絆を深めていく様子が描かれています。

主人公のキリトは、ゲーム内での冒険を通じて成長した人物であると同時に、リーダー的存在でもあります。また、依存症に陥った少女・紗藤など、個性的なキャラクターも出てきます。彼らの心境や考え方、人間性などが細かく描かれており、本作の魅力の一つでもあります。

本書のテーマは、仮想空間と現実空間の関係について考えさせられます。オンラインゲームには、現実社会では得られない体験や繋がりがある一方で、それらが現実社会を置き換えてしまうことも問題となります。本作は、そうした課題を軸に物語を展開しているため、SF的な要素が強いと言えます。

本書は、オンラインゲームをテーマにした小説の中でも特に優れた一冊であると言えます。登場するキャラクターの人間味、リアルな問題提起など、非常に丁寧に描かれています。ゲームをやったことがない人でも楽しめる作品ですが、ゲーム好きなら尚のことおススメできます。