あらすじ
この小説は、青春の訪れを迎えた3人の高校生の物語である。主人公の一人、秀樹は、クラスメイトの乙女・芹奈に一目惚れしていたが、友人の俊夫もまた彼女に興味を持ち始める。そんな中、秀樹は芹奈がアメリカへ転校することを知り、自分たちしか知らない秘密の場所で芹奈に告白する決意をする。
感想
本作は、青春ロマンス小説として古典とも言える作品である。登場人物たちの心情描写が描かれた細かい描写や、物語のテンポの良さなどが魅力的で、読み始めると引き込まれること間違いない。特に、秀樹の一人称での語り口が物語全体を通して安心感を与えてくれ、自分自身も青春時代を思い出してしまうような感覚があった。
ただ、物語の主軸である芹奈と秀樹の恋愛模様については、少し薄めに描かれていると感じた。俊夫が絡んでくる要素や、秀樹たちが集う場所での謎めいた出来事などは、物語の背景を彩り豊かにしているが、恋愛模様については、もう少し深掘りして欲しかったと感じた。最後のクライマックスのシーンはとても感動的であり、この物語が青春時代に手に取りたくなるような作品だと感じる。
まとめ
全体的に、青春時代に思いをはせることができる作品であり、青春ロマンス小説が好きな方にはお勧めしたい。物語テンポの良さや、秀樹の語り口により、読みやすく、心に残る作品である。
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