『名探偵ポワロのクリスマス』レビュー

あらすじ

孤独な老女アデライード・ラッチェットが、クリスマス・イブの夜、自室で惨殺されるという事件が発生する。彼女が被っていた傷痕は12回も刺し入れられたもので、それは新聞に載った事件と酷似した形であった。事件当夜、列車で現場近くを通りかかった名探偵ポワロは、事情聴取のために鉄道会社の車内に招かれ、そこで拉致殺人事件の関係者たちと出くわす。事件関連の人々がたくらむ、裏切りと陰謀が渦巻くなか、ポワロは徐々に真相に近づいていく。

感想

本書は、アガサ・クリスティーの代表作の1つであり、私が読んだ中でも最高に面白かった1冊である。読み始めたら止まらなくなるほどの物語の展開や、いくつものキャラクターたちが織り成すドラマ性が魅力である。クリスマス・イブという非日常的なシチュエーションが脅威的な事件に巻き込まれる人々によって緊張感と一体感を生み出している。また、中盤から急激に物語が加速し、正体不明の犯人に向かってポワロが次々に手掛かりを探るシーンは、非常にスリリングである。

評価

本書は、ストーリー展開やキャラクターの造形など、すべてが一級品である。ラッチェット殺人事件の真相が明らかになると、読者は驚愕することになる。そして、それはきっとクリスティーの物語の醍醐味である。本書は、ミステリー小説のファンにとって必読の1冊と言える。私は、この本を読んで、クリスティーに素晴らしい物語を提供してくれたことに感謝している。

参考資料:https://www.amazon.co.jp/名探偵ポワロのクリスマス-アガサクリスティー/dp/4151720059