書籍レビュー:「沈黙」

ストーリー概要

『沈黙』は、日本人キリシタンが迫害された16世紀の日本を舞台にしたグラハム・グリーンの小説です。ポルトガルのイエズス会宣教師であるフェレイラ神父が、日本の地でキリスト教を信仰する日本人たちが苦しむ姿を目の当たりにしたことから、宣教師たちが立ち上がります。

しかしながら、日本政府はキリシタンを弾圧し、鎌倉政権の大名である真田源次郎がイエズス会宣教師の逮捕を指示します。フェレイラ神父自身が捕まってしまい、政府による迫害の中で彼の信仰が揺らぎ始めます。

感想

本作は、実際にあった歴史的事件を基に、フェレイラ神父の苦悩や信仰の危機を描き出しています。作者自身もキリスト教信仰を持っており、自身の信仰に向き合った作品とされています。

ストーリーは濃密で、登場人物たちが抱える葛藤や思いは深いものがあります。特に、フェレイラ神父の内側で描かれる葛藤には心が揺さぶられるものがありました。また、当時の日本社会の様子もリアルに描かれており、舞台設定の作り込みが素晴らしいと感じました。

一方で、文章がやや重く、読み辛いところがあったため、読み進めるのには時間がかかりました。また、宣教師たちが日本人たちにキリスト教を布教する際の方法や内容について、あまり詳しく説明がされていなかったため、理解しづらい部分もありました。

まとめ

『沈黙』は、フェレイラ神父の苦悩や信仰の危機を描き出した、ハードボイルドな宗教小説です。当時の日本社会の描写やキリシタン迫害の様子がリアルに描かれており、作品の舞台設定にも力が入っていると感じました。一方で、文章がやや重く、理解しづらい箇所もあったため、読み進めるのには時間がかかるかもしれません。全体的には、宗教や歴史に興味のある方にお勧めの一冊です。


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