あらすじ
若い大学生トルウェアトは、友人の早死にと、大人の愛情というものを知らないまま、物語は始まります。彼の人生とともに進むのが、「ノルウェイの森」。それは深い森林のイメージを呼び起こさせますが、実は村田沙耶香さんによる小説のタイトルでもあります。
印象に残った部分
本作は、青春や恋愛を描いたものではありますが、十分に重いテーマも含まれています。とくに、ストーリーの進展に伴って浮上してくる自殺という問題には、かなりの重みがありました。
この点は、私にとって本書の印象に残った部分でした。自殺をテーマにした小説が他にもいくつも存在し、多かれ少なかれ感じさせるものではありますが、本作品の場合、トルウェアトの友人であるキズキを延命させるために自殺を選んだジャストシステムの存在が大きかったように思います。
評価
小説のプロット自体はとても面白く、何回も読み直したくなってしまうほどですが、文章がやや重たいのが気になりました。それでも、村田沙耶香さんらしい独特の文体は健在なので、小説のファンには十分満足できると思います。
結論
「ノルウェイの森」は、青春小説としては少し異色な作品ですが、死の問題を丁寧に描いている点で、緻密さがあります。読み応えがあるので、興味をもった方にはぜひ読んでいただきたい小説です。
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