『火花』のレビュー

概要

『火花』は、井浦新さん主演の映画化もされた、又吉直樹さんの処女小説です。芸人の夢を追いかける主人公・谷口が、売れない苦悩や、他の芸人や周囲の人たちは「おかしい」と思うことを当たり前にやっている姿が描かれています。

ストーリー

芸人を目指す谷口は、内気で口下手な性格の持ち主。笑わない人を笑わせることを目標に、毎日努力して練習する日々を送っています。しかし、こんな自分が本当に芸人になれるのか疑問を感じることもあったり、売れない日々が続いたりと、苦悩の日々を送っていました。

そんな中、先輩芸人である桜田さんの薦めで、NSC(吉本興業が主催する養成所)のオーディションを受けます。ところが、なぜか谷口は受からず、落ち込んでしまいます。しかし、そんな谷口を見かねた桜田さんが、芸人としてのヒントを授けてくれます。

そして、前向きになった谷口。一生懸命練習を重ねました。想いを込めたネタが完成し、ついに初舞台に臨むことになります。果たして、谷口のネタは成功するのでしょうか?

感想

『火花』は、芸人を目指す人にとって、自分と重ね合わせることができると思います。どの世界でも、上手くいかない時期があること。練習することが大切であること。そして、夢に向かって努力し続けることが大事であることを、作品を通して教えてくれます。

また、谷口や桜田さんをはじめ、周囲の登場人物の性格も鮮明に描かれており、一つ一つの言動が物語を深めています。その中でも、特に谷口と彼の妻・果穂の愛情や、芸人仲間との絆が描かれる場面は、胸を打たれること間違いありません。

緊張感あるストーリー展開、魅力的なキャラクター、そして現実味のある描写。『火花』は、誰もが何かを目指し、努力し続けてきた人たちにとって、感動的で素晴らしい作品だと感じました。

評価

総合評価:★★★★★(5/5)

参考書籍情報

『火花』 又吉 直樹 著、文藝春秋発行


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