『せめて、本の匂いがしたかった』レビュー

あらすじ

本好きの女性、松丸有希。彼女はある日、突然自分が他人の生活を覗く能力を持ったことに気づく。そして彼女が覗き見た先は、本のページの中だった。

松丸はその能力を利用して、世界中の本を臨場感たっぷりに読破し、多くの賞を受賞していく。しかし、彼女はどんどん自分自身から遠ざかっていく。

感想

この小説は、純文学とファンタジーの世界が融合した独特のストーリー展開が印象的でした。

主人公の松丸は、本を通じてしか人生を感じることができなくなっていく。その彼女の孤独感や無力感は、非常にリアルで心に刻まれるものがありました。

また、この小説には多くの書物が登場します。それぞれが登場する背景や、松丸の感じた臨場感を細かく描写されており、読んでいると自分も本の中に入り込んでいるような感覚になりました。

ただ、物語の終盤に至っては話の展開が急に加速してしまい、少し唐突に感じました。もう少し丁寧な描写があれば、より一層物語の世界に没頭できたかもしれません。

まとめ

『せめて、本の匂いがしたかった』は、本という存在を取り巻く人々の生き方や、自分自身と向き合うことの大切さを考えさせる、深い作品です。

評価

7/10


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