ストーリー
清水玲子の『月と夜想曲』は、女性たちの挑戦や成長を描いた物語です。主人公の一人、藤井瑞穂は、音楽教師として働きながらも、プロのピアニストへの夢を持っています。ある日、偶然出会った若い男性・舞弥と出会い、心を通わせるようになりますが、その関係には様々な障害が待ち受けていました。
もう一人の主人公・神崎美奈子は、上司からのセクハラや、男性社員たちからの嫌がらせに悩まされながら、中小企業の経理部長として働いています。そんな中、自分が担当する顧客である若手起業家・淵田に出会い、次第に惹かれていくのですが、淵田との関係には美奈子自身の過去が影響しています。そして、美奈子と瑞穂は、出会うことで、二人の人生が大きく変わっていくのでした。
感想
本作は、女性たちの葛藤や成長を描いた作品ですが、深い洞察力と、適度なコミカルな描写で読みやすいのが特徴です。特に、瑞穂の音楽への情熱や、美奈子の仕事におけるプライドなど、作者のキャラクター描写は素晴らしいと感じます。
また、二人の主人公が抱える問題や、舞弥や淵田との関係において、現代における女性たちの立ち位置や価値観が描かれている点も興味深く、共感を呼ぶ部分もありました。
ただ、時折、作品のテンポが落ちるような箇所があったり、脇役の台詞が過剰に多いと感じた部分もありますが、全体的には、女性たちのマルチな活躍や、夢に向かって突き進む姿勢が新鮮で、心地よい作品だと感じました。
まとめ
『月と夜想曲』は、女性たちの成長や挑戦を描いた作品で、深い洞察力と適度なコミカルな描写が印象的でした。主人公たちが抱える問題や、周りの人々との関係、それぞれの夢や目標に向けての奮闘など、読者の共感を呼ぶ部分が多くあり、一つ一つのストーリーが丁寧に描かれている点は、本作の大きな魅力の一つです。
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