書籍レビュー:『東京タラレバ娘』

ストーリー

主人公の東京在住の30代独身女性たちが、恋愛、仕事、友情などを通して自分たちの人生を模索していく様を描く。

主な登場人物

・杏子:33歳、編集者。恋人募集中。
・カヤ:34歳、売れないシナリオライター。「本のために生きる」主義。
・サクラ:35歳、美容師。恋愛から退場中。
・タマコ:30歳、広告代理店勤務。おとなしく、ASMRに癒されている。
・キョウコ:46歳、タマコの上司。結婚に留まらない人生の大切さを伝える。

感想

本作は、大人になりきれずに彷徨う30代女性たちの物語ですが、その痛々しさや共感できる点が多く、自分が20代の時に読んでいたら、きっともう少し楽に生きられたかもしれません。
登場人物たちのひとりひとりが、それぞれに強いこだわりを持ち、時には自分勝手に振る舞ってしまう反面、友情や困難にもしっかりと向き合い、成長していく姿には、とても胸を打たれました。
また、小説としての技法も巧みで、一つのエピソードを時系列を軽妙に飛び越えながら、1冊全体としてのストーリーをしっかりと纏め上げています。登場人物たちの心情の変化も、細かく描かれており、読んでいて感情移入せずにはいられませんでした。
ただ、時に登場人物たちが自己陶酔に浸りすぎるシーンがあるため、読み手によっては、苦手に感じるかもしれません。
全体的には、オトナの女性たちが、思いやりや温かさを持った作品です。是非一度読んでみてはいかがでしょうか。

評価

90点

参考:東京タラレバ娘(Amazonのページ)


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