書籍名:『メトロ2033』

概要

本書は作家ディミトリイ・グルコーフスキイによるロシアのSF小説であり、地下鉄の世界が舞台となっています。2044年、核戦争で荒廃した地球の残りの人口は、モスクワ地下鉄で生活しています。主人公アルチョムは、謎の存在が現れたことで、人々を救うために旅をすることになりました。

詳細

本書は、非常に興味深い設定が展開されています。特に、地下鉄での生活に焦点を当てた描写は、リアルさを感じます。地上は放射能に汚染され、人々は生きられないほどに危険な状態であると明かされます。一方で、地下鉄での生活は極めて厳しいものであり、アルチョムが彷徨う中で見た苦しみや絶望は、読者の胸に迫ります。

また、登場人物たちの心理描写が非常に細かく描かれており、ストーリーに深みを与えています。アルチョムは、自分自身の過去と向き合い、自分の生きる道を見いだそうとする辛い旅路を描いています。

一方で、本書の欠点としては、展開が少しゆっくりとしているところが挙げられます。人々の生活の詳細な描写や、アルチョムの性格の細かな描写は、ストーリーの魅力を高める一方で、ページ数を多く占めているこの小説であるため、読者にとっては少し面倒に感じるかもしれません。

まとめ

『メトロ2033』は、地下鉄の世界で展開されるSF小説であり、極めて興味深い世界を描いています。残酷な描写や登場人物たちの心理描写が丁寧に描かれており、読者はアルチョムの心の変化を通して、深い感銘を受けることができます。ただし、ストーリーが少し長引く部分があり、読者にとっては少々面倒かもしれません。しかし、SFファンであれば、一度は手に取って読んでみる価値がある1冊であるといえます。


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