概要
『羅生門』は、日本の小説家、芥川龍之介による短編小説。1915年に発表され、芥川の代表作とされる。物語は、枯れ葉で覆われた廃墟の前で、1人の旅人が雨宿りをするところから始まる。旅人は、そこで聞いた3つの人物の証言から、事件の真相を探ろうとする。
ストーリー
最初に登場するのは、下人の証言。彼は、役人が殺された後、殺人現場に近い羅生門に近づいたところ、亡骸をひそかに携えた美女に出会ったと話す。次に現れるのは、亡者の霊の証言。彼は、役人が殺された直後、彼を盗ろうとしていた不良の男たちに襲われたが、命からがら逃げ出したと述べる。最後に語られるのは、義侠心に燃える武士の証言。彼は、役人が殺される直前、彼を守ろうとして戦ったと主張する。
テーマ
『羅生門』は、人間の本性や真実の探求をテーマとしている。物語の中で、どの証言も一貫性がなく、真相が分からなくなってしまう。これは、世間一般の真実は一定ではなく、人それぞれの主観がからむことを示している。また、下層民や武士など、社会的身分の違いが事件に影響を与えている点も興味深い。
感想
『羅生門』は、解釈が分かれる作品だと思う。一方で、物語のように、人それぞれ違った視点を持っているので、面白味があると感じた。また、それぞれの証言が、登場人物の性格や状況を表している点が巧みで、芥川の才能を感じた。ただ、証言が乱立するため、読み進めるのには集中力が必要だと感じた。
参考文献:『羅生門』芥川龍之介、岩波書店(2012)
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