はじめに
「群像の時代」という書籍を読んだので、今回はそのレビューを書きたいと思います。
この本は、村上春樹氏が2016年1月から12月まで、連載していた「村上ラジオ」という番組で、リスナーから寄せられた質問に答えた際のエッセイをまとめたものです。
村上氏のエッセイは、独特の世界観で多くの読者から支持を得ていますが、この本も例外ではありません。では早速、感想を書いていきます。
本の内容
本書は、全体的に村上氏の自伝的なエピソードや、彼の作品についての考察がメインとなっています。
村上氏は、自身の出版社である「文藝春秋」からの打診でこの連載を始めたということですが、毎回細部まで丁寧に答えているため、リスナーからの信頼も厚かったことでしょう。
また、村上氏の作品については、幅広い作品群に対して独自の視点からの考察がなされています。とくに「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」については、作者本人が手がける小説として最も個人的な作品と語っており、その個人的な思い入れも感じられます。
読みやすさ
村上春樹氏の話は、多くのリスナー・読者に支持される理由のひとつに、その語り口の魅力が挙げられます。本書においても、彼の独特の文体・語り口が存分に堪能できます。
しかし、一方で筆者自身は、村上氏がエピソードの話のなかでバラエティ番組の話に飛躍するなど、内容が広範になることがあり、少々追いつきにくい面も感じました。
まとめ
「群像の時代」は、村上氏ファンにとっては必読書といえるでしょう。彼の自伝的なエピソードや、作品に対する独自の考察は、多くの読者を魅了すること間違いありません。ただ、たまに若干追いつきにくい面もあるため、少なくとも彼の作品に親しみがある方が読まれることをおすすめします。
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