あらすじ
主人公の中学生・芹澤は、クラスメイトの蒼井さんに誘われ、恐怖を扱った本のブッククラブに参加することに。その本には、恐怖の体験談が書かれている。しかし、本には著者の名前が書かれておらず、また、ブッククラブのメンバーたちも謎に包まれていた。そして、次第に本と現実の境界線が曖昧になっていく。
感想
本書は、恐怖をテーマにした作品だが、ただ怖いだけではなく、登場人物たちの心理描写が細かく描かれており、読む側も共感することができる。また、本の中の体験談は、それだけで読んでいるだけで怖さを感じるものから、結末に至るまでの展開が巧みに描かれたものまで様々で、飽きさせない構成になっている。
そして、物語自体も巧みに構築されており、登場人物たちの間に起こる謎めいた出来事や、本と現実の境界線が曖昧になる展開には読み進むうちに、どんどん引き込まれていく。
ただ、結末に関しては、少し物足りなさを感じる人もいるかもしれない。個人的には、もう少し驚きや衝撃があっても良かったかな、と感じた。
まとめ
『名前のない小さな恐怖』は、恐怖を中心に据えた作品だが、それだけでなく、登場人物たちの心理描写や物語の構成、巧みな展開などが見どころとなっている。結末に少し物足りなさを感じるかもしれないが、全体的には面白く読める作品だ。
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