『ノルウェイの森』レビュー

あらすじ

20歳のトオルは、大学の友人である浅野と彼女のナオミとの恋愛模様に振り回されながら、ふとしたことから中学時代の恋人である直子に再会する。直子はトオルが中学時代に出会った田舎の少女で、トオルの大学生活に変化をもたらすことになる。しかし、直子には暗い過去があり、トオルは彼女を救うことができるのか。

私が初めて読んだ村上春樹の作品である『ノルウェイの森』。主人公のトオルと直子のドラマチックな恋愛模様が描かれているが、実は本作は青春小説ではない。人生の苦難、死、そして人間の脆さを描いた一冊である。

村上春樹独特の哲学的な描写も織り交ぜられており、物語からは深い哲学が伝えられる。また、トオルと直子の関係は繊細で、感情移入しながらも切ない気持ちにさせられる。

読み終えた後はしばらく感傷的な気持ちになってしまったが、それでも、物語から人間の生の素晴らしさを学ぶことができた。本書は、哲学的な要素のある青春小説をお探しの方にはぜひ読んでほしい一冊である。

★★★★★ 5/5