『羊をめぐる冒険』レビュー

ストーリー

主人公の一人称で語られる本作は、トランペット奏者の青年が行く先々で出会う奇妙な事件の数々を描いた物語。彼は旅を続ける中で、ひとつの街で出会った羊の夢に取り憑かれ、それを遠回りしてでも探していくことになる。そして、その途中で次々に起こる謎めいた出来事と彼自身の成長が描かれる。

感想

本作は、ミステリー要素とファンタジー要素を織り交ぜた、不思議な航海譚的な作品である。謎の男性や謎の女性など謎が多い人物たちが登場し、彼らの言動や行動から読者は彼らの目的を予想し、解明することが楽しめる。また、登場人物が持っているトランペットやクラシック音楽に関する描写があり、そこに絡んだ人物描写も見応えがある。また、青年の成長が、夢や目的を持ち続けていくことの大切さ、友情の大切さが描かれ、感動的だった。

評価

本作は、二次元キャラクター「ヒトクイくん」などを生み出した作家、村上春樹氏による作品で、日本をはじめ世界でたくさんの人々に愛されている。筆者も、訳者である中野好夫氏の緻密な翻訳により、村上作品の奥深い世界観がたっぷり楽しめた。ファンタジー、ミステリー、成長物語の要素が巧みに織り交ぜられ、心に残る作品である。高い評価を与えたいと思う。


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